20年と8ヶ月、私と苦楽を共にしてきたベッドが、そろそろ悲鳴を上げている。
祖母が結婚祝いに包んでくれたお金で、ベッドと冷蔵庫だけを買い、私たちの生活は始まった。病める時も健やかなる時も(と言っても病んでいる時間の方が圧倒的に長いわけだが)、文字通り、私の全てを受け止めてくれたベッドだ。
実は今、これを書いているのもベッドの上である。私はPCの前でキーボードを叩くよりも、ベッドに身体を預けながらスマホ入力する方が、文章に集中できるタイプの人間らしい。ベッドはもはや身体の、いや魂の一部と言っても過言ではない。
しかし、恐らく常人なら耐えられないレベルで、ベッドが傷んでいるのも事実である。マットレスの凹みは年々深くなり、水平の体をなさなくなって久しい。飛び出した金属のバネはシーツを裂き、肌を刺す。簡易な組立式のフレームにも、相当ガタがきているはずだ。
夫はもう耐えられないと言う。そして大きな買い物は増税前にすべきだと言う。とりあえず次の週末に、ベッドのフェアを開催しているという家具店に行くことになった。
今もこうして私を優しく包み込んでくれているのに、近い将来、別れの時は必ずやって来る。頭では理解しているはずなのに、心はひどくざわざわとして切ない。刹那刹那の温もりが、いつも以上に愛おしい。
こんな風に書くと、よくある不倫モノの心理描写のようで笑ってしまう。しかし、楽園を追われた私が最後に辿り着いた場所、病の中にあって救済への希望をつないだ場所こそ、このベッドなのだ。いささか大袈裟かも知れないが。
というわけで、ベッドの買い替えという(ワタシ的には)一大事が降りかかって来そうです。ブログのネタにすることで、どうにか乗り切りたいと思います。物語はどのような結末を迎えるのか、そもそも完結できるのか、自分でも全く分かりませんが、乞うご期待!……と一応言っておきます(´>ω<`)
長くなりそうなので、アイキャッチ画像を作ってみました。
現実逃避じゃないもん……。