とんかつにっき|うつ・パニック障害18年生

とん活(お布団で過ごす時間をもっと楽しく!活動)はじめました。

逢魔時

f:id:nemo_zzz:20191015233217j:plain

 

 

夕方は大好きな時間です。美しい色に染まり刻々と表情を変える空。寝床に帰る小鳥たち。駅前の商店街は活気付き、どこかの家のカレーの匂いに鼻腔をくすぐられながら家路につく。娘が教えてくれた「エモい」という若者言葉は、きっとこういう時に使うんでしょうね。

 

だがしかし。

あくまで私の場合ですが、夕方はパニック発作が最も起きやすい時間帯でもあります。突然襲ってくる動悸・過呼吸・手足の震え・強烈な不安感……。現に今日もそうでした。

 

なぜ夕方なのかは分かりません。いにしえの人が「逢魔時おうまがとき 」と呼んだように、昼と夜が入れ替わる時間帯には、何か不穏なものが潜んでいるのでしょう。

 

そう言えば、まだ赤ん坊だった娘が意味もなくむずかるのは、決まって夕方でした。『おばあちゃん』と『ひいおばあちゃん』にランクアップした母と祖母が、「おうまがときだからね、仕方ないね」と言いながら娘をあやしていたのを思い出します。祖母も母も、そして私も、代々そう言われて育ってきたに違いありません。

 

そんなわけで、夕方の発作をお布団の中でやり過ごす時は、「おうまがときだから仕方ない」と自分に言い聞かせるようにしています。それはどこか乳臭くて懐かしい、安心する言葉なのです。