12月の中旬に、夫が国際学会に行くことになった。決して優秀だからではない。夫の通う社会人大学院では、国際学会での発表が博士課程修了の要件なのである。よって、学会の参加費・渡航費・宿泊費、全て大学持ちで海外に行くという。
そこで降って湧いたのが「私も一緒に行っちゃえば？問題」である。目的地のホテルにシングルの部屋はないので、夫が一人で参加するとしても、ダブルかツインの部屋を取るしかない。つまり、私一人ぶんの渡航費だけ負担すれば、夫婦で海外に行けてしまうのである。国際学会に家族が帯同するのは珍しいことではないらしく、ファミリー向けのプログラムまで用意されているという。
健康に不安がなければ、二つ返事で同行しただろう。しかし、思いつくのは行く理由よりも行かない理由ばかり。正直、何もかもが億劫なのだ。いつの間にかずいぶん消極的な人間になってしまったことが、悲しくて悔しい。
ここは自分に打ち克つためにも、行くべきなのかも知れない。よし、とりあえず行く方向で考えてみよう。現地のホテルでずっと寝ていたとしても、私には立派な冒険譚だ。
体調が極端に悪化したり、気が変わったりしたら、その時はその時。やっぱり行けませんでした……と報告することになっても、どうか笑わないで下さいね。
